福 江 港(32°42′N 128°51′E)(海図W1250 分図)


(概要)
福江島の東岸にある港で、港域内北部に戸楽漁港がある。
この港は五島列島の表玄関として長崎港及び付近の島々への定期船が就航し、本列島の中心港として活況を呈している。

(注意)
港内は浅くて狭いので夜間の入港は避けたほうがよい。
また、フェリー、高速旅客船、漁船等が多数航行しており、在港漁船が一斉に出入港することがある。

(錨地)
防波堤内は狭く各所で工事中のため錨泊できない。
最良の錨地は庖丁島(32°42.7′N 128°51.6′E)の東端を002°、旧城跡の高等学校の校舎(32°41.4′N 128°50.9′E)243°に見る3号防波堤の東側で、水深16m内外の所である。
台風襲来時、在港船は福江港の北方約3.5Mにある樫ノ浦に避泊することがある。

九州沿岸水路誌105から抜粋


◎福江港の避難港としての適性(小型船向)
当港は五島の玄関口であって、300トン以下の機帆船や定期船が多数集まり、港内はいつでも雑踏している。
港内は狭く、錨泊できない。西から北西の風波には、割合安全であるが、台風の避泊に適さない。
当港の在港船は、台風の情報によっては北方約4海里の一番近い距離にある奥浦湾(樫ノ浦)に避泊している。

避難港の手引き(小型船向)昭和40年から引用



樫ノ浦(32°45′N 128°50′E)(海図W1250)

浦口に妙光小島(高さ26)がある。この浦に入るには、この島の西側を通るほうがよい。
この島の西南西方250m前後の水深18m、底質砂の所に錨地が得られる。
奥浦(32°44.8′N 128°49.7′E)は、中央部付近の水深512m、底質砂で錨かきが良い。
台風時には小型船の避泊地として最適であるが、養殖施設があるので注意を要する。
この浦内に入るには、南側に水上岩や浅所が散在し、浦口は狭くて急角度に屈曲しているので、水路の北側近くを航行すればよい。

九州沿岸水路誌105から抜粋


◎奥浦湾の避難港としての適性(小型船向)
奥浦は福江島の北東側、田ノ浦瀬戸の西浜南部にある樫ノ浦の北西からさらに直角に曲折する狭い水路のある深く入りこんだ湾である。
水深は2m〜12m、底質は砂泥で「錨かき」は良く、北寄りの強風時には風浪が少々侵入するが、他の風のときは穏やかで、100トン以下の小型船の避難港として適している。
夜間奥浦に入港できない避難舟は、樫ノ浦を利用している。樫ノ浦の錨地は、港口の中央にある妙光小島の南西方水深20m、底質砂のところが良い。


避難港の手引き(小型船向)昭和40年から引用