福 岡 湾(33°38′N 130°18′E)(海図W190)
(概要)
湾口の東側にあるシタエ曽根(33°41.7′N 130°16.4′E、水深2m)と、湾口のほぼ中央にある玄界15 島との間が主航路で、ほかに玄界島〜大机《オオツクエ》島及び大机島〜西浦埼(33°40.0′N 130°12.6′E)間はいずれも幅約0.5Mで、主として小型船が通航する。
また、湾口付近はこれらの島々があるので、やや西風を防ぐことができる。
湾口西角の西浦岬から険しい海岸が南東方へ続いてウゼ鼻に達する。
この沿岸の10m等深線は距岸220m内外の所を通っている。
ウゼ鼻以南の海岸は弓状を成し、約3Mで博多港港界の碁石鼻に達するが、この南半部は顕著な砂浜である。
湾内の水深は能古島以西が深くて大型船の錨泊に適している。
しかし以東の博多港広域内の大部分は10mよりも浅い。
(潮流)
湾口及び能古島付近では、上げ潮流は南東方へ下げ潮流はこれとほぼ反対の方向へ流れ、高・低潮の0〜1 時間前に転流し、流速は1kn に達する。
港内の流速は弱く、0.5kn 以下である。
(針路法)
一般に大型船は玄界島及び能古島寄りに航行すれば、小型船の利用する航路を避けやすく、夜間は漁船群を避けられることが多い。
〜九州沿岸水路誌105から抜粋〜
【志賀島港】志賀島港の避難港としての適性(小型船向)
志賀島は志賀島橋をはさんで内港と外港とに分かれていて、内港は南に、外港は南東に面してどちらも一年中で一番多い風向である北の風には、背後の山によって防がれて安全であるが、港内の水深が浅いため(内港1〜3メートル、外港0〜2メートル)利用する船は限られ、避難港としては適さない。
しかし、内港の前面の泊地は「錨かき」も良く、北寄りの風浪の時は避泊に適している。
避泊できる船の数は次のとおりである。
船種 |
汽 船 |
100トン前後の機帆船 |
20トン前後の漁船 |
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1000〜500トン |
500〜100トン |
|||
防波堤内 |
|
|
|
20 |
内港前面の泊地 |
1 |
5 |
20 |
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〜避難港の手引き(小型船向)昭和39年から引用〜
福岡湾避泊地調査 |
調 査 項 目 |
内 容 |
錨地名 |
福岡湾 |
|
錨地の位置及び範囲 |
能古島西方海域 |
|
水深 |
11〜22メートル |
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底質 |
泥 |
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避泊可能な最大船型 |
不明 |
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錨かきの状況 |
台風時、状況により走錨の危険あり |
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漁具等の設置状況 |
宮之浦地先海域 かき・わかめ養殖施設 計3ヶ所 |
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灯浮標・標識ブイ等の設置状況 |
設置ブイ等なし |
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進入目標 |
志賀島・玄界島・能古島・也良岬・唐泊埼 |
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周囲の地形 |
錨地の北方に福岡湾口が位置し、東方に能古島、北東方に志賀島、北北西方に玄界島、西方に糸島半島がある。 |
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気 象 |
年間を通して北の風が多い、冬季には季節風の影響を受ける。 |
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利用実態 |
当該泊地の北側は福岡湾口で、風を遮る島等の遮蔽物がないため北よりの風の影響を強く受ける。 |
〜福岡海上保安部からの資料〜
博 多 港(33°38′N 130°22′E)(海図W1227,W190)
(概要)
九州北岸の中央付近にある福岡湾の大半を港域とする港で、港域はさらに第1区〜第4区の4港区及び航路に分かれている。
なお、第1区南西部に博多漁港が、第4区西岸の瑞梅寺《ズイバイジ》川河口に浜崎今津漁港がある。
港口は能古《ノコノ》島の南・北両側にあり、北側が主な港口でその水深は14〜20mあり、内方に向かってしだいに水深が浅くなっている。
港内中央部では航路を除き水深7m内外の所が多い。
(台風対策)
本港では台風による事故を未然に防止するため博多港台風対策委員会を設置し、在港船舶などに対し、台風情報の伝達及び警戒体制、避難、入港制限の勧告・解除等の台風災害防止措置を指導している。
(潮汐)
この港における平均潮差は1.1m、大潮差は1.9mである。
(潮流)
港内での潮流は極めて弱く、船舶への影響はほとんどない。
(注意)
法定航路を除く福岡湾全域において、9〜12 月の間サワラ流し縄漁業が操業されている。
(航泊制限)
引火性危険物積載タンカーの引火による事故を防止するため、一般船舶は港内に停泊中の同タンカー(タンク船も含む)から30m(LPG及びLNG船は50m)以内の海域に立ち入ることが禁止されている。
(錨泊禁止)
西防波堤南部の内港入口から荒津大橋に至る海域は、福岡・長浜各船だまりに出入りする船舶の航路筋を確保するため、錨泊が禁止されている。
(錨地)
主に、第3 区に錨泊するよう指導されている。
北寄りの風の強いときは船舶の喫水に応じて志賀島や西戸《サイト》埼の南西方に、西寄りの風の強いときは能古《ノコノ》島の東側に錨泊するほうがよい。
長浜船だまりは、どの方向の風に対しても比較的安全である。
検疫錨地は、能古島の東部に指定されている。
〜九州沿岸水路誌105から抜粋〜
港名 |
荒天時避泊の適否 |
避泊(可能船舶の限度)(隻数) |
最寄りの避難港までの距離 |
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500t以上 |
500t以下 |
小型船舶 |
漁 船 |
|||
福岡港 |
北寄りの風のときは外洋からの波浪、うねりの影響を受ける残島以西の海面は大型船の錨地に適している。 |
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〜福岡県地域防災計画 資料編(平成15年度)〜
◎博多港の避難港としての適性(小型船向)
当港は福岡湾の奥にあって、西方に開いており、北は海の中道という、半島、東、南は陸によって囲まれている。
また、西の開いているところに残島があるので、風浪を避けて避泊に適している。
しかし、冬季の北西寄りの季節風が強いときには、港内でもかなり波立つことがある。
港内の泊地の水深は船だまり以外は4〜12mあって、底質は最上層は貝殻まじりの軟泥土でおおわれ、その下2〜4mは粘土層あるいは砂層で「錨かき」はよい。
港内第一区内の博多船だまり(水深2.5〜3m)、長浜船だまり(水深4〜5m)、福岡船だまり(水深3〜5m)は台風のときや冬季の北西の強い風が吹くときでも、小型船(500トン以下)の避泊に最も適している。
避泊できるのは、次のとおりである。
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汽 船 |
機帆船 |
漁 船 |
|
500トン以上 |
500トン以下 |
|||
博多船だまり |
0 |
4 |
40 |
100 |
長浜船だまり |
5 |
20 |
60 |
150 |
福岡船だまり |
0 |
7 |
50 |
120 |
〜避難港の手引き(小型船向)昭和39年から引用〜
博多港避泊地調査 |
調 査 項 目 |
内 容 |
錨地名 |
博多港 |
|
錨地の位置及び範囲 |
能古島東方海域 |
|
水深 |
6〜13メートル |
|
底質 |
泥 |
|
避泊可能な最大船型 |
5000トン |
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錨かきの状況 |
検疫錨地錨かき良好 |
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漁具等の設置状況 |
姪浜小戸地先及び室見川沖 のり養殖施設 計2ヶ所 |
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灯浮標・標識ブイ等の設置状況 |
ハツ瀬灯浮標・角瀬南灯浮標・中央航路灯標(第1〜第7) |
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進入目標 |
志賀島・能古島・中央航路灯標 |
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周囲の地形 |
福岡湾のほぼ中央に能古島、同島の北方に志賀島がある。能古島の北側から南東方に航路が設定されている。 |
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気 象 |
年間を通して北の風が多い、冬季には季節風の影響を受ける。 |
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利用実態(特記事項) |
当該泊地は、台風避泊のため1000トン以下の船舶多数が錨泊する。 |
〜福岡海上保安部からの資料〜