萩港(34°26′N 131°24′E)(海図W1175)
(概要)
大瀬鼻〜越ヶ浜半島南部間を港の区域とし、第3種漁港でもある。
港内は商港区域と漁港区域に分かれている。
商港区域は、狐島(34°26.4′N 131°24.9′E) の東側(通称:潟港)及び松本川河口の南西側(通称浜崎商港)にあり、漁港区域は中小畑浦、小畑浦及び越ヶ浜にある。
この港は、西〜北西以外の風のときには好避泊地となる。
(気象)
冬季は北西の季節風が卓越するが、それ以外はおおむね平穏である。
(海流)
同港の沖合いでは北東方へ流れる弱い海流がある。
(潮流)
潮流は微弱である。
(険礁)
港口の北側に、越ヶ浜半島南西岸から距岸約0.5Mまで礁脈が広がっている。
なお、この礁脈は、萩港灯台(34°26.4′N 131°24.9′E)の赤光分孤及び灯浮標で表示されている。
(沈船)
浜崎商港の船だまり内(34°25.4′N 131°23.8′E)(水深2.1m)及び中小畑浦船だまり入口(34°25.7′N 131°24.7′E)(水深6.2m)にそれぞれ沈船がある。
(入港上の注意)
船引き網漁業が行われ、狐島の北方の潟港(34°26.2′N 131°25.2′E)入口付近及び浜崎商港入口北側付近で操業することがあるので注意を要する。
(錨地)
小畑浦・中小畑浦及び菊ヶ浜(34°25.0′N 131°23.3′E)前面は底質が泥又は細砂であるが、北西の風が10m以上になると走錨のおそれがある。
潟港の中央部は四方の風を防ぎ避泊地として最適であるが、狭いので錨泊する船舶は500t程度が限度であるという。
(台風対策)
本港では台風による災害を防止するため萩地区台風対策委員会が設置されており、台風接近の際における避難場所の選定及び早期避難の勧告等を行っている。
〜本州北西岸水路誌102から抜粋〜
港名 |
荒天時避泊の適否 |
避泊(可能船舶の限度)(隻数) |
最寄りの避難港までの距離 |
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汽船500t以上 |
汽船500t以下 |
漁 船 |
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萩港 |
北の風20メートル以外錨泊適 |
1 |
2 |
25 |
仙崎湾 |
〜山口県地域防災計画 資料編(平成15年度) 〜
◎萩港の避難港としての適性(小型船向)
大瀬鼻と越ケ浜半島の間に湾入している。数地区に分け一般には浜崎漁港、小畑漁港、潟港、夕和(なぎ)港がある。
避泊には潟港と小畑漁港がよく、潟港は天然の良港で「錨かき」もよいが、小畑漁港は北西の風が吹くときは、錨泊に適しないことがある。
浜崎漁港は河口入口の中央に水深2mの岩盤があって、増水期には上流よりの流出土砂が堆積して度々水深が変化するので、軽喫水の小型船だけ航行できるが、一般船の出入や避泊には適さない。
夕和港は水深も浅く狭いので、避泊に適さない。
〜避難港の手引き(小型船向)昭和41年から引用〜
港 名 |
錨地の状況 |
その他(気象海象等) |
萩 港 |
位置:北緯34°26′東経131°25′港域内は底質砂泥で錨かきは良好であるが、冬期北西の風が10m以上に達する時は錨泊に耐えない |
沖合い北東及び南西に流れる微弱な潮流あり |
萩港(小畑) |
底質は泥で錨かきは良いが、岸壁が3〜5mの水深があり、小型船は横付けがよく、北西の強風の際は潟港が良い |
冬期の北西の風以外は気象海象とも良好で小型漁船及び100t程度の船舶の避難港としては良港である |
萩潟港 |
港内は泥が深く強風の際は大型船の場合は走錨のおそれあり |
北寄りの風に対しては越ケ浜半島・西寄りの風に対しては狐島が防波堤となり四季を通じ港内は穏やかである |
〜萩海上保安署からの資料〜