薄香《ウスカ》湾(33°23′N 129°32′E)(海図W1249)
(概要)
湾口は幅約0.5Mで2M近く湾入する。
この湾は各方向の風をよく防ぐ小型船の好避泊地であるが、湾内には真珠の養殖施設があり、暗岩が散在するので多数の船舶が錨泊することはできない。
また、出入に際しては険礁に注意を要する。
(錨地)
唐子島と湾奥東岸との間の水深21〜25m、底質砂泥の所がよい。
〜九州沿岸水路誌105から抜粋〜
◎薄香湾の避難港としての適性(小型船向)
当湾は平戸島の北西部にある小富士山麓の北側の貝瀬埼とこれに向かい合っている長崎鼻とを湾口とし、東方に深く湾入した湾である。
当湾は西から北西寄りの風が吹くときは、うねりがはいり波浪があるが、それ以外は穏やかである。
当湾は東方に約3.7km湾入し、相当広いが暗礁が散在し底質不良(岩)の場所が多いので、湾内の奥部で水深20m内外、底質砂の一部の区域は100トン以下の船が錨泊するのに適している。
〜避難港の手引き(小型船向)昭和40年から引用〜
江袋《エブクロ》湾(33°22′N 129°31′E)(海図W1249)
薄香湾から南方へ約1.3M湾入する小型船用の最良の避泊地で、かつて巡視船(約1,000t)が入ったことがある。
周囲は山に囲まれ、どの方向の風も安全であるという。生月島の漁港が整備される以前は、生月島の全漁船は、台風時になるとこの湾に避泊していた。
水路の中央を通れば水深30m前後で障害はなく容易に出入できる。
湾内の底質はおおむね泥で錨かきが良く、水深25m内外の適宜の所を錨地とすればよい。湾内の水深20m以浅には養殖施設があるので、注意を要する。
〜九州沿岸水路誌105から抜粋〜
◎江袋湾の避難港としての適性(小型船向)
当湾は薄香湾の南岸の支湾となっている。
当湾は小富士山麓の東側麓とこれに相対する崎山崎とを湾口とし、幅270m、南方へ約3km湾入し、湾内の最大幅は1.5km、周囲は陸地に囲まれ袋状になっているので、台風のときやや波立つ程度であって、水深14〜15m、底質は大体砂であるが「錨かき」は比較的良く、500トン級の船の錨泊避難に適している。
〜避難港の手引き(小型船向)昭和40年から引用〜
平戸島西岸(海図W198,W1249)
(概要)
この西岸には湾入が多く、最南方の志々伎《シジキ》湾は避泊地になる。
平戸島北西部の安満《ヤスマン》岳(高さ535m)、南部の屏風岳(高さ395m)及び志々伎山(高さ347m)は好目標で遠望顕著である。
岸近くに数個の小島があり、また、上阿値賀《カミアジカ》島・下阿値賀島の2 離島がある。
辰ノ瀬戸を通航する船舶は平戸島西岸に接近して航行する。
〜九州沿岸水路誌105から抜粋〜
避泊地 |
番号 |
避泊日時 |
避泊位置 |
船種 |
総トン数 |
備考 |
|
津吉沖 |
1 |
16.1.21 |
33−14.2 |
129−29.8 |
貨物 |
910 |
|
2 |
16.1.22 |
33−10 |
129−26 |
貨物 |
1194 |
|
|
3 |
16.2.6 |
33−10.9 |
129−25.7 |
貨物 |
1048 |
|
|
4 |
16.2.4 |
33−11−5 |
129−27 |
貨物 |
1534 |
|
|
5 |
16.2.7 |
33−11.3 |
129−26.9 |
貨物 |
1329 |
|
|
6 |
16.2.7 |
33−11.7 |
129−27.4 |
貨物 |
1292 |
|
|
7 |
16.4.23 |
33−11.62 |
129−27.4 |
貨物 |
1441 |
|
|
8 |
16.9.26 |
33−14.12 |
129−29.73 |
貨物 |
1510 |
|
|
9 |
16.9.26 |
33−14.21 |
129−29.71 |
貨物 |
1510 |
転錨 |
|
10 |
16.11.15 |
33−09.6 |
129−25.8 |
貨物 |
1995 |
|
|
11 |
16.11.26 |
33−11.4 |
129−27.2 |
貨物 |
914 |
|
|
12 |
16.12.4 |
33−10.4 |
129−25.9 |
貨物 |
1213 |
|
|
13 |
16.12.30 |
33−09.9 |
129−25.2 |
貨物 |
660 |
|
|
14 |
16.12.31 |
33−12.0 |
129−27.9 |
貨物 |
2607 |
|
|
志々伎湾 |
1 |
16.8.28 |
33−11.6 |
129−23.4 |
貨物 |
1267 |
|
2 |
16.10.26 |
33−11.7 |
129−23.2 |
曳船 |
101 |
|
|
3 |
16.10.31 |
33−11.0 |
129−24.0 |
ヨット |
62 |
|
|
4 |
126.12.20 |
33−09.1 |
129−24.4 |
貨物 |
660 |
|
平 戸 港(33°22′N 129°34′E)(海図W193)
(概要)
平戸瀬戸の西岸にある港で、内港は狭いが、岸近くを除いて水深は3〜5mであり、ここに錨泊した最大船舶は設標船(総トン数512t、喫水2.6m)であるが、港内は狭く錨地としては適さない。
(注意)
入港する場合は、黒子島の北側又は南側を通るが、北側を通る場合は坊司《ボウズ》瀬(33°22.8′N 129°33.8′E)、イカヅチ瀬(33°22.4′N 129°33.5′E)などへ圧流されないよう注意が必要である。
また、針路を横切る強潮流及び黒子島周辺の渦に十分な注意を要する。
網掛瀬(33°22.0′N 129°33.8′E、水深7.4mの暗岩)付近に投錨する際は、同瀬に錨がかからないように注意を要する。
〜九州沿岸水路誌105から抜粋〜
◎平戸港の避難港としての適性(小型船向)
当港は生月島の東岸にある港である。
港域内の北部に一部浦(地方名では当浦を単独で生月港という)、南部に館浦がある。
両浦とも100トン程度は自由に出入りできる良港である。
当港は、南・北や東寄りの風が強いときは、風浪がはいるが、そのほかの風はよく防ぐので避泊港として適している。
しかし、両浦とも平常は閑散としているが、荒天時等においては地元まき網船団が帰港し、地元小型船で満杯状態になり、他地区の船の入る余地はほとんどない。
〜避難港の手引き(小型船向)昭和40年から引用〜
川内《カワチ》湾(33°19′N 129°32′E)(海図W1249)
平戸瀬戸南口の南西方約3Mにあり、平戸瀬戸通過の際の潮待ち泊地として適当である。湾奥の前面まで10m以上の水深がある。
2,000t程度の船舶は湾口付近に、小型船は湾奥に仮泊する。
湾内沿岸には多数の養殖施設がある。
〜九州沿岸水路誌105から抜粋〜
江 迎 港(33°18′N 129°35′E)(海図W1249)
平戸瀬戸南口の南方約4Mにある港である。
石材運搬のため2,700 D/W の船舶が出入りする。港内は港口付近で幅約900mあるが、港奥では約300mに狭まり、水深10〜20m、底質泥で錨かきも良く、西風のほかは各方向の風を避けることができる。
〜九州沿岸水路誌105から抜粋〜