久賀湾(32°49′N 128°52′E)(海図W1250)

この湾は、どんな天候のときにも安全な小型船の避泊地であるが、湾口が狭く、水路の幅約100mで屈曲しており、天候の悪いときには入航が困難になる。
特に冬季の荒天下、北西〜北風が強吹するときは、狭い湾口付近の水路で追い波を受けて保針困難となることがある。
水路の長さ約0.8Mの狭所を過ぎると、全く陸地に囲まれた湾となる。
この湾の北口に近い水路の中央に弁天島(32°49.1′N 128°52.0′E、高さ39)があり、島の両側には養殖施設がある。
なお、水路西側の湾入部には養殖施設がある。
湾内の中央部は水深1218mで、底質泥の所は錨地とすることができるが、東側の沿岸一帯に養殖施設があるので、泊地は狭められている。
湾の南側は2支湾に分かれ、2岬の間にある幅約200m、水深10m以上の水路を通って入航することができる。


九州沿岸水路誌105から抜粋


◎久賀港の避難港としての適性(小型船向)
久賀港は久賀島の北側に口が開いており、全島を南北に2分するような深く入りこんだ湾で、港の入口は狭く、かつ屈曲している。
港内に入ると全く陸地に囲まれたような円形の港で、北側を外港とし水深1020m、底質泥砂である。
宮ノ鼻とその対岸の呼子鼻以南の湾を内港と呼び、水深510m、底質は泥砂でどちらも「錨かき」は良い。
陸部の周囲は高山に囲まれ、港口の水路が屈曲しているため、外海からの波浪が入ることがなく、荒天のときに安全な避泊地となっている。
しかし、冬季の荒天のとき、特に北〜北西の風が強く吹くときの入港は、追い波を受けるため針路の保持が困難であり、しかも湾口が狭いため、非常に危険である。

避難港の手引き(小型船向)昭和40年から引用

水之浦(32°45′N 128°44′E)(海図W217 )


岐宿浦の西隣にある出入の多い湾で、船舶は水深1618m、底質泥の所に仮泊できるが、浦内の沿岸各所に養殖施設があるので注意を要する。
浦奥には水ノ浦漁港がある。


九州沿岸水路誌105から抜粋

三井楽《ミイラク》湾(32°45′N 128°42′E)(海図W217)


南方へ湾入する小湾で、北〜東風のほかは安全に避泊できる。
湾奥に三井楽漁港があるが、水深は浅い。
錨泊には湾奥から約0.6M、水深1.8mの所の錨かきが良い。


九州沿岸水路誌105から抜粋