三重式見港(32°48′N 129°46′E)(海図W1259)


(概要)
長崎港の北西隣にある港で、港域内に長崎(三重地区)、相川、式見、手熊の各漁港がある。
この港は、旧式見港と、三重埼〜神楽島〜蠑螺《サザエ》埼を結ぶ線以北の湾全域を漁港区域としている長崎漁港(三重地区)区域から成り、遠洋漁業の拠点港として大型漁船(3,000t級)の入港を見込んで、新しく整備された港で、大小の漁船の出入りが多い。

九州沿岸水路誌105から抜粋

福田浦(32°44′N 129°49′E)(海図W197)


福田埼の東側にある小湾でマリーナがあり、沿岸には養殖施設があるため、仮泊地には適さない。

九州沿岸水路誌105から抜粋

 

長 崎 港(32°43′N 129°50′E)(海図W202)


(概要)
九州西岸の長崎半島基部の西側にある港である。
港域内は第1 区〜第6 区の6 港区及び航路に分かれている。
港奥の浦上川河口付近に長崎漁港があり、港内南部の野牛島南側に深堀《フカホリ》漁港、西部の福田浦に福田漁港があり、主として離島航路の定期船、観光船、漁船及び造船所での造修船などが出入している。

(気象)
春季は北西の風、夏季は南西の風、秋季は北東の風、冬季は北寄りの風が多く吹き平均風速は2.2/s である。

(台風対策)
本港では台風による事故を未然に防止するため長崎港台風等対策委員会を設置し、在港船舶などに対し、台風情報の伝達及び警戒体制、避難、入港制限の勧告・解除等の台風災害防止措置を指導している。

(副振動)
この地方の方言で「アビキ」と呼ばれる周期が約10分、約20分、約3040分の極めて顕著な海面の昇降があり、港奥の大波止付近で1mに達することもまれでなく、20 分間に2.7mの上昇を記録したことがある。
晩秋から早春にかけて起りやすく、盛夏にはまれである。
これは主として気象現象による海面のじょう乱であるとされているが、今のところその状態を予報することはできない。

(航泊制限)
港内における引火による事故を防止するため、一般船舶は停泊中の引火性危険物積載タンカー(タンク船を含む)から30m以内の海域に立ち入ることが禁止されている。

(錨地)
港は奥深く湾入し、水深が深いので各方向の風をよく防ぐ好避泊地である。
台風などの南西風強吹時には港内の小船艇に大きな被害のあった例もあるが、この場合にも大型船は港内の係船浮標に前後係留するか、第3 区・第4 区に双錨泊すればよい。
検疫錨地は第3 区航路南側に指定されている。
また、危険物積載船の錨地は第3区及び第6区に指定されている。


九州沿岸水路誌105から抜粋


◎長崎港の避難港としての適性(小型船向)
三方を山に囲まれた天然の良港で、あらゆる船舶の避難に適している。
港内は第1区から第5区までに区分されており、大型船は第1区、第2区及び第3区に避難できるが、100トン未満の小型船の場合は第1区、第2区及び第4区の湾入部が、最も避難に適する。第3区と第5区は南西〜北西の強風時に波浪、うねりが侵入するから避難には不適である。

避難港の手引き(小型船向)昭和41年から引用