野母浦(32°34′N 129°46′E)(海図W197)
浦内北西方に錨地があるが、南方に開いているため南風にさらされる。
北西部には距岸約300〜600mの間礁脈が突出しているが、大立神灯台(32°34.0′N129°44.4′E)を方位242°以上に保てば、この礁脈を避けることができる。
〜九州沿岸水路誌105から抜粋〜
◎野母港の避難港としての適性(小型船向)
大体南方に約1.3km袋状に湾入し、北方の開口部以外は周囲を丘で囲まれており、狭いが天然の良港ということができる。
港の入口は北西に開いて、港内までの水路は幅約30〜40mの狭水道であるため、荒天のときや夜間の出入港は困難である。
港内は、北寄りの風が吹くときは南部の里浦が、また、南寄りの風が吹くときは北部の停泊ができなくなるが、そのほかは丘陵にさえぎられるため、強風を受けることが少なく、港外からの波浪、うねりは北部のほかはほとんどない。
水深は、港内の中央部で6m、沿岸部で0〜5m、底質は泥で「錨かき」はやや悪いが、100トン未満の船の避泊に適している。
〜避難港の手引き(小型船向)昭和41年から引用〜
脇 岬 港(32°35′N 129°47′E)(海図W197)
(概要)
長崎半島先端部の南側にある港で、港の北岸から南方へ延びる北防波堤(先端に灯台がある)及び北防波堤灯台の東方約100mから南南西方へ延びる防波堤(北端及び南端に灯台がある)に囲まれた船だまりがあり、中央部はおおむね水深10m以上ある。
〜九州沿岸水路誌105から抜粋〜
◎脇岬港の避難港としての適性(小型船向)
北港は、冬季の北西の季節風が吹くときは、避難に適しており、水深は沿岸から150m以外は北部で9m、中央部で12〜14m、南部で12mあって、底質は砂泥、「錨かき」は良い。
3000トンの以下の船の避難に適している。
南港は比較的安全な地形となっており、東寄りの風には影響されるが、そのほかの風には影響されることが少なく、冬季の季節風等のときの避泊に適し、風待ちあるいは樺島水道を航行する船が潮待ちに利用している。
水深は2〜6mで、底質は砂泥、「錨かき」は良い。
100トン未満の船が避泊するのに適している。
両港とも台風のときの避泊には適せず、地元漁師は野母港に避泊している。
〜避難港の手引き(小型船向)昭和41年から引用〜