島 原 湾(32°55′N 130°20′E)(海図W169,W172,W194)


水深は南部では30120mであるが、湾奥一帯は浅く、北岸及び東岸では干出堆が遠くまで延びている。
湾奥の浅水海面一帯のことを有明海といい、筑後川には潮差を利用して船舶が出入できる若津港、諸富港などがある。
天草上島北岸と天草下島東岸の湾入部及び島原湾西岸の湾入部は、台風時などの避泊地になる。


九州沿岸水路誌105から抜粋



口之津港(32°36′N 130°12′E)(海図W192)


(概要)
島原湾口の早崎瀬戸北岸にある港である。
主として小型船が避泊に利用するにすぎない。
港内は南寄りの強風時には、うねりが侵入することがある。

(気象)
冬季は北西の風が強く、冬季以外は比較的穏やかである。
霧は46 月に発生することが多い。

(錨地)
大型船の錨地には土平《ツチビラ》埼の南東方で水深18m内外、底質泥の所がよく、ここは南寄りの風の強吹するときを除き、おおむね各方向の風を防ぐことができる。


九州沿岸水路誌105から抜粋


◎口之津港の避難港としての適性(小型船向)
天然の良港で、古くから早崎瀬戸を通航する船の潮待ち港として知られている。
港は、南東方に開いているが、周囲が陸地(丘陵)に囲まれており、強い東寄りの風のほかは大体各方向の風を防ぐことができる。
水深は港の一番奥で34m、中部で57m、港の入口付近で10m以上あり、底質は泥で「錨かき」は良い。
港内では1000トン以下の船が避泊するのに適しており、港の入口付近では大型船が停泊することができる。


避難港の手引き(小型船向)昭和41年から引用



三 池 港(33°00′N 130°245 ′E)(海図W189)


(概要)
島原湾北部の東岸にある港で、港域内は第1区、第2区の2港区と航路に分かれている。
この港は、三井鉱山が三池炭鉱から石炭を積み出すために築造した港で、第1区の内港及びドック内は一年中おおむね平穏で、荷役に支障を生じることはほとんどない。
ドック内はどんな強風に対しても安全であるが、内港内は20/s 以上の南西〜北西風が強吹すると波立ち、小型船はドック内に避泊する。

(気象)
夏季は南西又は南東の風が強く、冬季は西〜北の風が多い。降水量は梅雨期に多く、月別では6月が最高で350mm 前後を示し、次いで7 月・9 月の順になっている。

(台風対策)
本港では台風による事故を未然に防止するため、三池港地区海上災害防止対策委員会を設置し、在港船舶などに対し、台風情報の伝達及び警戒体制、避難、入港制限の勧告・解除等の台風災害防止を指導している。

(錨地)
検疫錨地は、航路の西側に指定されている。


九州沿岸水路誌105から抜粋

 

港名

荒天時避泊の適否
(
立地条件からみて)

避泊(可能船舶の限度)(隻数)

最寄りの避難港までの距離

500t以上

500t以下

小型船舶

漁 船

三池港

島原海湾随一の避難港で、内港は大型船、船渠内は中型船以下の避泊に適す。

5

4

20

50

大牟田約2マイル
長洲約06マイル
島原約14マイル


福岡県地域防災計画 資料編(平成15年度)


◎三池港の避難港としての適性(小型船向)
海岸に設けられた築港であって、築港はドック、内港、内港航路からなり、漏斗形をしている。
当港は風浪に強く築港内にいれば、一年中大体海面は穏やかである。
水深は内港が約10m、内港航路は約75m、底質は泥で「錨かき」は良く、避難にも適している。

避難港の手引き(小型船向)昭和41年から引用